こだわりの逸品

“働く”をデザインする——UNIX TOKYOが追求するものづくりへの姿勢

オーダーユニフォームで企業のあるべき姿を表現する、UNIX TOKYO。単なる制服・作業服ではなく、働く人を支え、現場に力を与えるデザインを追求し続けています。

今回は、デザイナー兼営業の伊藤 旭に、ユニフォームデザインに込める想いと制作の舞台裏について聞きました。現場を知り、現場に寄り添う。その哲学が生み出す、新しいユニフォームの価値とは。

働く人のリアルを知るからこそ、生まれるデザイン

UNIX TOKYOの最大の特徴は、社員全員が現場経験者であること。ホテルやブライダル、飲食店など、かつて「制服を着て働いてきた人たち」が集まっています。
伊藤もブライダルの現場で働いていた経験を持ち、それが今のデザインに生かされています。

「ブライダルの現場は、1日中スーツ姿で働くのですが、ワイシャツが汗ばむほどの重労働です。そういった現場を知っているからこそ、ユニフォームの機能性や使われている素材、ポケットの位置など、細かな部分の重要性が分かるんです。

『ここの可動域は広く』 『ここに差しポケットがあると便利』『インカムのループが必要』といったことが自然に理解できる。お客様の要望を“体感的に”理解できるのが、UNIX TOKYOの強みだと思います。」

デザイナーとしての感性と、現場を知る営業としての視点。
この二つの役割を併せ持つことで、真に働く人に寄り添うユニフォームを生み出しています。

また、UNIX TOKYOでは、デザイナー自らがクライアントと直接向き合い、要望を丁寧に汲み取ることを大切にしています。
伊藤もまた、営業としてお客様の声を受け止めるところからプロジェクトを始め、デザイン、製作、納品までを一貫して担当。全体をまとめるディレクターの役割を担っています。

分業にせず、営業担当が最初から最後まで関わることで、クライアントの想いや熱量をそのままデザインに反映できます。さらに、そのデザインをより喜んでいただけるよう、見せ方や提案方法まで営業自らが考えることで、より大きな相乗効果が生まれています。私たちにとっても、お客様にとっても最良の形だと感じています。」

UNIX TOKYOのデザイナー一人ひとりが、現場の声を“翻訳”できる存在であるからこそ、機能と感性のバランスを取りながら“使える美しさ”を形にできる。それが、UNIX TOKYOのデザインの軸であり、変わらない姿勢です。

細部に宿るこだわり。UNIX TOKYOのデザイン哲学

デザインをする上で大切にしているのは、「どの要素にも、一切妥協しないこと」。
デザイン、資材、機能性、耐久性、着心地、——すべての面で高い水準を保つことが、UNIX TOKYOらしさだと言います。

「見た目が素敵でも洗濯に弱かったり、動きやすくてもすぐに型崩れするようでは意味がない。お客様に喜んでいただくためには、全てをストイックに追求しなくてはいけません。どれかひとつでも欠けてしまえば、現場で“使える”ユニフォームにはならないと思います。

その哲学は、プロダクトを構成する細部にまで息づいています。

「服づくりの工程自体は、どの会社も大きくは変わりません。しかし、例えばファスナーひとつをとっても、“いつもの定番でいい”とするのか、デザインやスライダーの仕様にまでこだわるのかで、仕上がりはまったく違うものになります。僕は“デザインは細部に宿る”と思っているので、納得いくまで突き詰めます。

そうした考えの背景には、プロダクトデザインの巨匠、ブラウンのデザイナーであるディーター・ラムスの存在があります。

「彼の“よいデザインの10箇条”は、ユニフォームづくりにも通じるものがあるので、デザインをするときに常に意識をしています。装飾的ではなく、使う人にとって誠実であること。私たちも、常にそんなデザインを目指しています。」

哲学をかたちに——空港で働く人のためのユニフォームづくり

伊藤が最近手がけた案件のひとつが、エアポートメンテナンスサービス株式会社の制服制作。
成田空港の施設や外構の保守を担う同社では、オフィスワーク、建築、土木の3部署があり、それぞれの業務内容に合わせたユニフォームが必要とされていました。

「これまでは、既製品のカタログから選んだ制服を着ていらっしゃいました。ちょうど会社が創立40周年を迎える節目ということもあり、制服を刷新してブランディングを強化し、新しい取引先にも良い印象を与えたいというご意向がありました。
そのご要望を踏まえ、デザイン性と機能性の両立を目指したユニフォームをご提案しました。」

空港の建築設備を管理する部署や、屋外で樹木や道路のメンテナンスを行うスタッフなど、働く環境はさまざま。伊藤はそれぞれの職種で必要とされる動きや装備を丁寧にヒアリングし、最適な仕様を考えました。

機能性には特にこだわりました。例えば、こちらの素材には“クールドット”という生地を採用しています。小さい穴が開いているように見えますが、目には見えないくらいの細い糸が通っていて、通気性が高いのが特徴です。さらにストレッチ性と撥水性も備えているので、屋外での作業でも快適に動けます。

また、脇の下など汗をかきやすい部分には消臭テープを使用しました。アンモニア臭を完全に抑えるほどの効果があるんです。」

通気性に優れていて、ストレッチ性や撥水機能もある素材

首元や脇の下には消臭テープが施されている

機能性を追求する一方で、着る人のテンションが上がる制服であることにも気を配りました。

「全体のデザインは、アウトドアブランドの要素に少しミリタリー感を加え、洗練された印象に仕上げています。スタイリッシュにまとめていますが、素材感やディテールで上質さを表現しました。
ワーキングウェアでも清潔感があって、きれいに見えるよう、前たては比翼仕立てにするなど、ミニマルな印象を意識しています。」

さらに、ポケットのサイズや位置も、実際に働くスタッフの要望に合わせて設計されています。

「『この道具を入れたいから、この大きさが必要』という具体的なリクエストを各部署からいただき、その声をもとに調整しました。そうした細かい部分が、使いやすさや快適さ、オリジナルユニフォームの良さにつながっていくと思います。」

新たな領域への挑戦、ワーキングユニフォームの未来へ

これからも妥協せず、お客様に喜んでいただけるものづくりを追求していきたい。伊藤はそうした思いを胸に、次の挑戦として“ワーキングユニフォーム”の領域を見据えています。

「ユニフォームの市場のうち、実は約6割を作業服関連が占めているんです。これまで私たちは、ホテルやレストラン、ブライダルなどサービス業を中心に手がけてきましたが、今後はUNIX TOKYOのデザイン力を作業服の分野にもっと広げていきたいと思っています。

作業服の世界にも、機能性だけでなく、働く人の気持ちを高めるデザインが求められています。

現場での経験を活かしながら、UNIX TOKYOらしい視点で“働く服”の可能性を広げていく——。それが、伊藤が描く次のステージです。

お問い合わせは、公式サイトまで。

UNIX TOKYO

制作担当者

伊藤 旭

働く人の姿を理解し、その現場に誠実でありたい。そのような想いから、細かな部分まで丁寧に向き合うことを大切にしています。素材選びや仕様の一つひとつに意味があり、妥協できない理由があります。ファスナーの形状から可動域の確保まで、小さな工夫の積み重ねが“使いやすさ”につながる。そんなユニフォームが、着る人の自信や心地よさになれば嬉しいです。